みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~
「……う…ん」
 たまらず、わたしの口から声が漏れる。

「もっと声を出したらいいよ。感じるままに」

 大洋の手がゆっくりと降りてきて、わたしの太腿を摩りあげてくる。するとやはり、その手の行先を案じて、つい脚を閉じてしまう。

 大洋は、円を描くように膝を撫でたり、ついばむような口づけを繰り返して、わたしが、自分から脚の力を抜くのを、辛抱強く待ってくれた。

「後ろを向いてごらん」

 そう言われて、うつ伏せになると、唇で背筋を辿っていく。
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