みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~
 ほぼ初対面の男の人と飲みに行く……

 これまでのわたしには考えられないほどの冒険だ。

 だいたい、男性と会話するのが苦手だから、咲ちゃんの合コンの誘いも断ってきたのに。

 でも、この人とはここで別れたら、もう話すこともできなくなる。

 それはとても惜しい気がした。

 なかなか返事をしないわたしを、彼はゆったりと気長に構えて待っていてくれた。 

 とても自然に、わたしのペースに合わせてくれる。

 こんな人、はじめてだ。

「じゃあ……ちょっとだけなら」

 結局、肯定の言葉を返していた。

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