みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~
 カウンターの前で、彼は財布から免許書を取り出した。

「これでいける?」

「もちろん。じゃあ、ここに必要事項を記入して」

「うん」

 パソコンに名前や住所を打ち込む。

 その様子をカウンターごしに覗き込んで言った。
「すげー、早え。かっけー」

そう言ってからニヤッと笑うと
「二日酔いで頭抱えてたときとはぜんぜん違うな」と一言。

 その言い方が、何か秘密を共有している者同士の言い分のように思えてて、ドキッとした。
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