みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~
 あれだけ夢中で本を読んでいたんだから、その言葉は嘘ではないはず。

 まったく作為のない素直な言葉に聞こえた。
 高校生でも、今どきこんな子はいないんじゃないかと思うほど澄んだ目をして。

 人をたぶらかすような人間ではない、とわたしは思うんだけど。

 でも、咲ちゃんはお茶を一口すすってから、するどい目つきでわたしを見た。

「甘い! 甘すぎますよ。わたしの知り合いに、ホストに入れ込んで身ぐるみはがされて、危うく風俗に沈められそうになった子がいるんです。その子も言ってましたよ、最初は。『悪い子じゃないの』って」

 
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