みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~
「だって、好きになったらどうするんです。いい男なんでしょう? でも、悲惨ですよ、それ。もしうまくいったとしてもホストの子を彼氏にするなんて。言ってみれば、『女郎の間夫(まぶ)』と同じ立場ですから」

「女郎の間夫って……」わたしは苦笑した。
 時代小説を愛する咲ちゃんの語彙はかなり古めかしい。

「ご忠告ありがとう。でも取り越し苦労だって。21歳って言ってたから、6つも年下だよ。そんな子がわたしに興味を持つはずないし、それにわたしもそんなにバカじゃないよ」

 咲ちゃんはふーとため息をつくと、少し口調をやわらげた。

「いやいや。恋に限って、年齢差とか賢いとかバカとか関係ないんで」
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