みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~
 咲ちゃんの言うことはいちいち正しい。
 それは認める。

 とにかく、大洋は「女性に親切にする仕事をしている人間」だっていうことを、くれぐれも忘れないようにしなければ。

 あの優しさは商売道具でもあるわけだから。

 もし本気になったら、咲ちゃんが言うように目もあてられない。

「でも、美羽さん、嬉しそうでしたよ。昨日、食事に誘われたとき」

 そう言って、咲ちゃんはぼそっと付け加えた。

「もう……手遅れかもしれないけど」と。
 
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