みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~

***

「あー、面白かったぁ」
「うん。期待してたより、ずっと良かった」

 誘ってよかったよ、と大洋は満足げな声で言った。

 モール周辺の街路樹にはLEDライトが灯されている。年中クリスマスの趣きだ。

 通りは桜並木になっていて、紫のライトが花びらを幻想的に染めている。

 映画の興奮冷めやらぬ大洋と、駅までの道をゆっくり歩いていた。

「あのシーン、最高だったね」
「爆破寸前で逃げだすとこ?」
「そう!」
 思わず、顔を見合わせて微笑みあう。

 同じ場面が面白かったことがこんなにも嬉しいなんて。

「やっぱ観に来てよかった。ありがとな。付き合ってくれて」

 立ち止まった大洋を見上げると、優しい目でわたしを見つめている。

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