みうとうみ ～運命の出会いは突然に～

「あの……さ」
　大洋の目に、一瞬、迷いを感じた。
　言おうかどうしようか決めかねている。

　もう一度わたしの目を見て、それから下を向いて呟くようにぼそっと言った。


「……あなたと知り合えて、ほんと良かったよ」

　そんなことを言いながら、首筋に手をやって照れくさそうに笑った。

　決定打。
　しかもクリーンヒット。

　だめだ。

　面と向かってそんなことを言われたら、ひとたまりもない。

　境界線のぎりぎりのところで踏ん張っていたのに、背中をぽんと押されてしまったことが自分でもわかった。

（恋に年齢も何も関係ないです）

　くやしいけれど咲ちゃんの言ったことはやっぱり正しかった。

　もう誤魔化しきれない。

　大洋が好きだ。
　この感情は恋以外の何物でもない。