みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~
 持つべきものはどんなことでも話せる友だち。
 どん底で、のたうっていた気持ちがほんのわずか上向いた。

 でも……
 頑張ってくれた咲ちゃんには申し訳ないが、やっぱりというか、合コンは成果がなかった。

 約束どおり、咲ちゃんは二十代後半から三十代前半の男性を4人集めてくれた。

 普通に見れば、みんないい男だった。
 公務員、システムエンジニア、酒屋の二代目、役者の卵まで。

 どれだけ顔が広いんだろう。咲ちゃん。

 女は、私たちと咲ちゃんの友だち2人。
 会場はお洒落なバルで、ワインも食事もとても美味しかった。

 でも、残念ながら心惹かれる人は現れなかった。

 結局、恋の痛みを解決してくれるのは時間しかないのかな。

 せっかく正職員になれるチャンスを与えられたばかりだ。

 一生懸命、仕事をしよう。

 仕事に没頭しているうちに、この愚かしい恋情も落ち着いてくれることだろう。


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