snowscape~彼と彼女の事情~
「いえーい!!」と隼人と亜紀の拍手が沸き上がった瞬間
俺も二人に真似て拍手をしてみたが二人とはテンポのあっていない俺の拍手は友里をクスッと笑わせていた。
「じゃあ、次は俺だぁ〜!!亜紀チャンに贈る歌でも行きますかぁ〜!!」
「本当?嬉しい〜!!」
再び二人の世界に入りこんでいるのを見ると溜息が出てくる
むしろ二人で会えば良かったんじゃないのか?
なんて考えがさっきから俺の頭の中から離れずにいて、帰りに隼人に必ず言ってやろうと決めていた。
そもそも、この合コン?みたいな設定は俺は好まない
しっぽを振りながら隣にきて、甘ったるい声を出す女とか
すぐに携帯番号は?と聞いてくる女
この後ヒマ?なんてこの後の俺の時間を奪おうとする女
俺が気づいてないとも思ってわざとドキドキさせようとボディータッチをしてくる女
その度に俺の心は黒く塗りつぶされていくんだ
「なんか、亜紀が羨ましい……」
「えっ!?」
突然聞こえてきたその声に俺が反応すると友里はびっくりした顔で俺を見つめている
「羨ましい?」
「えっ?あ、いや、なんでもないんです!なんでも……」
突然下を向き顔を隠す友里を見るど俺は隼人達を見つめた。