意地っ張りな恋の話


小さな店内には店長が厳選したという、可愛らしいアンティークの椅子や机、
ケーキやプリンが並んだショーケース。

あたしはこの空間、結構気に入っている。


「柚璃ちゃん、これ持って帰る?」


店長から差し出されたプリンのカップを見て思わず歓声をあげた。

カスタードが控えめな甘さで最高なの、このプリン。

あたしの大好物だ。


「え、やったぁ!!良いんですか?」

「良いよ、今日もありがとうね〜
お疲れ様!」



ニコニコしながらプリンを大事にカバンに入れて、更衣室を出た。


「…げっ」


更衣室を出て一番に目に入ったモノに思わず声が出た。


ブレザーを着たクソガキ、じゃなくて絢くん。

幸せだった気分を返して欲しい。



「…何カバン大事そうに抱えてニヤついてんの、おば」


「言わせないから!!もう言わせないからね、あたしは柚璃って名前なの!!」


「きゃんきゃんうるせえよ、おばさん」


「ああまた言った…っ!次言ったらまじで訴えるからなガキンチョ」


「ガキみたいな凹凸の無い体してんのはアンタだろ」



一発KO。

負けた。



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