【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた

この間までは小さかった頃の夢を見たり、自分の軽はずみな行動による後悔の夢ばかりだったのに
その日に見た夢は、内容は覚えていないけれど心が温まるばかりの夢だった。

そして夢の片隅にはいつも碧人さんがいてくれた。

―――――

ぱちっと目が覚めた時にはもう陽がすっかりと沈んでいた。

体が大分軽い…。やっと熱が上がり切ったのだろうか。  うーんと伸びをすると、小説を投げ出した碧人さんが床に横になって目を閉じている。

…寝ちゃったんだな。
そういえばこんな無防備な姿も初めて見る気がする。

男の人にしては睫毛が長い方な碧人さんは、目を閉じて眠っていても整っている顔をしていた。

そっと彼の黒髪に手を伸ばすと、ぴくりと一瞬動いたがまたすやすやと寝息を立てている。
ずっと側にいてくれたんだ。

「それにしても無防備…。こうやっていると悪魔には見えないな…てか、可愛い…」

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