【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた
「拓斗、本当に身長が伸びて………あんまりないわね…」

そりゃあ男の子だから私より大きいのは当たり前だ。
しかし男の子にしては可愛らしい方か?
私の発言に拓斗は苦笑しながら頭をかいた。

「父さんも母さんもあんまり大きくないからなあ。 って、大きい!」

碧人さんを見上げ、拓斗は驚いたように言った。
それを見て碧人さんはにこりと営業スマイルをした。

「はじめまして。桃菜さんとお付き合いをしている小早川碧人と申します。」

「はじめまして、弟の拓斗です。
うわー姉ちゃんやるなあーめっちゃかっこいい人じゃん。背も高いし!」

肘でツンツンと私を突っつくと人懐っこい笑顔を見せる。 拓斗ってこんな性格だったのだろうか。

「両親も楽しみに待ってたんですよ。碧人さん、どうぞ上がってください」

こんな風に大人の対応が出来るようになっていたなんて。
私の中で拓斗は小学生のまま時が止まっていた。 当たり前に彼の中にも流れる時間があった。
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