【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた
にやりと笑いながら言うと、碧人さんは平然とした顔をして「今日はここに泊まるつもりで部屋を取っていた」と言った。
その言葉に顔がかあっと赤くなる。
それって朝まで二人きり…。
今度小早川家はリフォームする予定で、新しく私と碧人さんの新居が出来る。
しかしそれまでは当たり前に寝室は別だし、私達はキス以上の関係になっていなかった。
余りにも生々しい展開に、戸惑ってしまうと碧人さんはそれを見抜いたようににやりと笑う。
「どうしてやろうかな」
「碧人さんのエッチ!!」
「エッチな事勝手に想像したのそっちだろう?」
ぽかぽかと彼の胸を殴ると、突然腕を掴まれてジッと見つめられる。
この雰囲気はやばい。どういう顔をしていいか分からない。
ロマンチックなホテルの部屋で、とびっきりに美しい夜景をバックに大きなベッドがひとつ。
これから始まる事を予感しては、私のやましい想像は止まらないのだ。