私の周りにヤンデレしかいないんだが
蒼先輩が寝転がり、「早く横になれよ」と私を見つめる。私がゆっくり隣に寝転ぶと、蒼先輩の心の声が聞こえてきた。

(一緒に寝るって何か結婚したみたいだな。手、繋ぎたい。キスをしてめちゃくちゃにしたい)

男子ってみんなこんなことしか考えてないの、と大声で言いたい。何で私と仲のいい男子はこうなんだ。

真っ赤な顔を見られたくなくて、蒼先輩に背中を向ける。蒼先輩にそんな風に思われているのが恥ずかしい。好きとか、そういうのじゃないんだけど、やっぱり好意を持たれてるってわかるとちょっとドキドキするものだ。

「美紅、そういえば今度テストがあったよね?」
(確か数学と英語の小テストって一年生が話してたぞ)

「はい。数学と英語の小テストです」

ゆっくりと蒼先輩の方を見れば、顔がやけに近くて慌ててまた背中を向ける。

「よかったら、勉強教えてやるよ。数学が美紅は苦手だろ」

「いいんですか?」

嬉しいです、そう言おうとした刹那に蒼先輩の心の声が聞こえてくる。
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