私の周りにヤンデレしかいないんだが
(よし、自然に誘えたぞ。あとは、学校の中じゃ集中できないとか言って家に連れ込むだけだ。部屋についたら何を教えようかな……。キスをして、押し倒して、もしも拒否するなら手足を縛って閉じ込めて、完全に俺のものにしてやる。婚約者になるまで外に出さない。ゾクゾクする。楽しみだなぁ……)

「……お気持ちは嬉しいのですが、雫ちゃんに教えてもらうので結構です」

「えっ、ダメなのか?」
(せっかくお前を手に入れるために檻とか、手錠とか、色々揃えたのに……)

何て恐ろしいものを揃えてるんだ、この人は……。ジッと上目遣いを意識してこっちを見てるけど、騙されたりしない!

その時、授業開始五分前を告げるチャイムが鳴り響く。次の授業は確か世界史だ。

「蒼先輩、もうそろそろ行きますね。授業遅れちゃう!」

「あっ、うん」
(もっと話したかったな……。次は離さないようにしないと……)

蒼先輩の声を聞きながら、教室へとただ走る。心臓はバクバクうるさかった。

「友達男子四人、全員ヤンデレなんですけど!!」
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