わけあってイケメン好きをやめました
 徹平くんはきっと、別れ話をするつもりだろう。
 こんなに会う時間がないなら付き合っている意味がない、みたいなことを言われそうだ。

 それとも、年上だから頼れると思っていたのに期待はずれだった、とか?
 年下のかわいい女性と付き合うことにしたから別れてほしい、って理由だったらさすがにつらいな。

 気がついたらとめどなく涙があふれていて、雫となったそれは顎からポタポタと伝い落ちていた。
 心のどこかで覚悟していたはずなのに、想像しただけでこんなに悲しくなるとは……。
 それくらい、私は徹平くんを好きになっていたのだ。


 翌日、いつも通りに出勤して仕事にとりかかった。
 無意識に溜め息を吐きそうになり、何度もそれを飲み込む。

「美和さん、どうかしましたか? 元気がないような……」

 普段と変わらない態度でいたつもりなのに、絢音ちゃんから不意に尋ねられて一瞬あわててしまった。

「目も少し腫れてますね」

「昨日ね、海外ドラマを一気見しちゃって寝不足なのよ。そのせいね」

 エヘヘと笑みをたたえると、納得したように絢音ちゃんはうなずいた。
 ウソをついてごめんなさいと、心の中で謝罪する。
 ベッドで横になっても眠れなくて、気がついたら朝になっていただけで、海外ドラマは見ていない。

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