わけあってイケメン好きをやめました
「脱水症状で、眩暈と頭痛の症状が出ている」

「脱水?」

「食事もろくにとってない。デリバリーでなにか消化のよさそうものを頼んでくれ。寝てない上に食べなかったら倒れるのは当然だ」

 徹平くんは目を丸くして私に視線を移した。

「美和さん……そんなに深刻だったんですね」

 虹磨さんが見ているにもかかわらず、彼は隣に座って端整な顔を近づけ、私の両手を覆うように握った。

「大丈夫だよ」

「こら堤、ウソつくな」

 虹磨さんは私の“大丈夫”という言葉に反応したらしい。
 たしかにここ二日は精神的に限界で、決して大丈夫ではない。それが体調にも表れてしまった。
 根本的解決をしなければ、すぐには元に戻らないだろう。

「俺、会社に戻るわ。まだ絢音がいると思うから」

「虹磨さん、今日はご迷惑をおかけしてすみませんでした。ありがとうございました」

「徹平がそばにいてくれたら安心だな」

 意味深な言葉を残して虹磨さんが帰っていった。
 徹平くんは、いつまで私のもとにいてくれるかわからないのに。

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