アクセサリーは 要りません
次の日、夜7時半、殆どの生徒が食べ終わった食堂のカウンターで、唐揚げがあがるまでの間、築地さんと山口先生と私で喋っていた。

どうやら、築地さんの中では、私が山口先生を振ったって構図があるらしい。まぁ、お互いにカレカノがいる設定だから、それを演じれば良いんだよね?うまく演じないと。千里さんの話を思い出し、今日の唐揚げの調理ポイントを質問した。家で作るときは塩麹を入れるとしっとり揚がるらしい。「良いこと習いました。唐揚げ嫌いな男の人ってあまりいませんよね?今度塩麹入れて彼に作ってみます」と山口先生に言った。

「お待たせ、ゆっくり召し上がれ」と言いながら築地さんはトレーを渡してくれた。もう限界だった。
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