アクセサリーは 要りません
「惠美里、お待たせ。
ボディーソープも良い香りだったよ」

「うん、じゃあ入ってくるね」

暫くして水の流れる音がしだした。ダメだ、妄想が。音、何か音を出そう。テレビを点けて落ち着かそう。

テレビのワイドショーでは、今度のコロナ変異株は若い人、10代20代の感染者も出てきていると言っていた。府の教職員向けのワクチンを夏休み中に受ける予定だけれど、生徒にも始まるんだろうか?

なんて考えていると惠美里があがってきた。頑張れ、俺、惠美里の色っぽさに引き込まれるのを耐えるんだ。風呂上がりの火照っている肌に、どうして黒のワンピース?ノースリーブだけれど胸元も開いていないし、くるぶし丈だし露出はない。どこからその色気が?

「気持ち良い温泉だったね。
街中に温泉が出るのね?」

「いや、たぶん違う場所から
運んでいるんじゃないかな?」
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