異国の地での濃密一夜。〜スパダリホテル王は身籠り妻への溺愛が止まらない〜
コンコンと病室のドアが叩かれ「入りますよ」と男性の声が聞こえた。ガラリとドアを開け入ってきたのは四十代くらいの白衣を着た男性。
「あ、山咲さん目を覚まされたんですね。良かったです。体調はどうですか?」
「あ、少し身体が怠いなぁと思うくらいで今は大丈夫です。あの、ご迷惑をおかけしました」
「大丈夫ですよ。軽い貧血と寝不足、少し栄養失調もみられます。山咲さん、生理はきていますか?」
「そういえば……予定日よりは遅れています」
「もしかしたら妊娠されているかもしれませんよ。風邪のような症状と貧血、目眩、体温も少し高い、これらは妊娠初期の症状と似ています」
「先生、それは本当ですか? 真緒っ……彼女が妊娠しているかもしれないって」
「きちんと検査をしてみないと分かりませんが、その可能性も有りますという事です」
――妊娠
そう言われてみれば大体月初めにくる生理がまだきていない。総介さんの事で頭がいっぱいですっかり忘れていた。どうしよう……もし本当に妊娠していたら彼はどんな反応をするだろう。心が騒つく。嵐がきたかのように木の枝のような鋭利なものが心に突き刺さり、砂がチクチクとまとわりつく。木の葉が視界をさえぎり先が見えない。彼は喜んでくれるだろうか、それとも母と同じように私も……いや、そんなはずはない。彼に限ってそんな事は……
「あと一時間ほどで点滴が終わりますから、そしたら夜間受付の方で会計をしてください。今日明日は安静にして少しずつでいいので栄養があるものを食べてくださいね。お大事に」
「あ、ありがとうございましたっ」
白衣を着た先生はペコリとお辞儀をし病室を出ていった。
「あ、山咲さん目を覚まされたんですね。良かったです。体調はどうですか?」
「あ、少し身体が怠いなぁと思うくらいで今は大丈夫です。あの、ご迷惑をおかけしました」
「大丈夫ですよ。軽い貧血と寝不足、少し栄養失調もみられます。山咲さん、生理はきていますか?」
「そういえば……予定日よりは遅れています」
「もしかしたら妊娠されているかもしれませんよ。風邪のような症状と貧血、目眩、体温も少し高い、これらは妊娠初期の症状と似ています」
「先生、それは本当ですか? 真緒っ……彼女が妊娠しているかもしれないって」
「きちんと検査をしてみないと分かりませんが、その可能性も有りますという事です」
――妊娠
そう言われてみれば大体月初めにくる生理がまだきていない。総介さんの事で頭がいっぱいですっかり忘れていた。どうしよう……もし本当に妊娠していたら彼はどんな反応をするだろう。心が騒つく。嵐がきたかのように木の枝のような鋭利なものが心に突き刺さり、砂がチクチクとまとわりつく。木の葉が視界をさえぎり先が見えない。彼は喜んでくれるだろうか、それとも母と同じように私も……いや、そんなはずはない。彼に限ってそんな事は……
「あと一時間ほどで点滴が終わりますから、そしたら夜間受付の方で会計をしてください。今日明日は安静にして少しずつでいいので栄養があるものを食べてくださいね。お大事に」
「あ、ありがとうございましたっ」
白衣を着た先生はペコリとお辞儀をし病室を出ていった。