異国の地での濃密一夜。〜スパダリホテル王は身籠り妻への溺愛が止まらない〜
 暗闇の中でも分かるくらいに顔を赤く染めあげ「恥ずかしいです」とそっぽを向く彼女。その仕草が逆に男を煽ることを知らないのか。流した涙を舌で掬いげると、ビクッと肩を揺らしトロンと熱帯びた瞳を俺に向けた。


「これ以上は我慢できなくなるな。それにそんなにも女の表情をしていたらお母様にバレてしまうよ」


「なっ……総介さんのせいなのにっ」


「すまない、すまない」と彼女の腰に手を回しアパートの階段をゆっくりと登る。カタン、カタンと二人の足音が夜の空に響いた。
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