異国の地での濃密一夜。〜スパダリホテル王は身籠り妻への溺愛が止まらない〜
「うん。ちゃんと心音も聞こえますね」


「良かったです、嬉しいなぁ」


 慣れない超音波検査を耐え、心音が聞こえると言われてホッと胸を撫で下ろす。ちゃんとお腹の中で生きてくれていると思うとなんだか感極まって泣きそうだ。
 私の隣で総介さんも言葉にはしないが嬉しそうに目を細めて、先生にもらった小さくてまんまるな赤ちゃんの写ったエコー写真を眺めている。


 幸せな気分のまま次回の予約を取り病院を出た。長谷さんが迎えにきてくれ車に乗り込むが総介さんは仕事があるらしくここで別れる事になる。


「じゃあ俺は仕事だから長谷に家まで送ってもらうよう頼んだから、何かあったら長谷に言うんだよ。あと楽団の練習は無理しない程度にね、温かい格好をして行くんだよ」


 私が妊娠してから少し過保護かなと思うくらい心配してくれる。大切にしてくれていると凄く伝わるからそれが私にはとても嬉しい。
 総介さんはタクシーでその場を離れ、私は長谷さんの運転する車で家まで帰る。長谷さんとは殆ど会話はしない。長谷さんはクールなのかな? 総介さんといる時も口数が少なく、たまに発する言葉も落ち着いたトーンだ。静かな車内、総介さんからもらったCDを流し、ゆったりと幸せな気持ちに浸りながら家までの時間を過ごした。
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