異国の地での濃密一夜。〜スパダリホテル王は身籠り妻への溺愛が止まらない〜
「覚悟は……あります。私は片親ですがお金がなくて不幸だと思った事は一度もありません。確かにお金があれば今までとは違った人生を歩んでいたかもしれません。でもそれじゃあ総介さんに出会えていなかったと思います。それに私はお金が目的で総介さんと一緒になりたいわけでは無いです。最初は彼が何ものなのかも知りませんでした。私は彼の優しい所、凄く大人なのにたまに見せる子供っぽい所、なにより私の事を好きだと真っ直ぐな瞳で言ってくれる所、一度は逃げた私を追いかけてくれて……たくさん彼に幸せを貰ってきました。彼が私を幸せにしてくれているように、私だって彼を幸せにしたいんです。このお腹の子と総介さんと三人で幸せになりたいんです! もう私は絶対に逃げません。総介さんが辛い時は側にいて支えてあげたい。お仕事の事は全く分かりませんがこれから勉強していきます。彼の足手纏いにならないように頑張りますから、どうか私達の結婚を認めてくださいっ!」


 深々と頭を下げる。次から次へと溢れ出る言葉をただ言うだけ言って全く次の事を考えていなかった私はただ言い尽くして立ち止まってしまった。


「そうか……君の気持ちはよく分かった。だが今日はもう時間がない。き、金額は考えておきなさい」


「いやだからっ――……」


 私の抵抗の言葉はお父さんには届かず虚しく消え去った。
 立ち去るお父さんを追いかけようとも長谷さんに肩を掴まれ行手を阻まれる。


「会長は次の仕事へ向かわれました」

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