異国の地での濃密一夜。〜スパダリホテル王は身籠り妻への溺愛が止まらない〜
「あぁ、その事なんだかね」


「真緒? 父さん!?」


 総介さんの声が聞こえ驚いて後ろを振り返るとスーツ姿の彼とその一歩後ろに長谷さんが居る。


「なんで真緒と父さんがここに? どう言う事だ?」


 総介さんは驚いた表情で風を切るように勢いよく歩いてくる。その音がなんとなく怒っているように聞こえた。総介さんは交互に私とお義父さんを見ている。総介さんのホテルなんだから総介さんがホテルに現れるなんてよく考えれば分かることなのに、全く考えていなかった。な、なんて言おう。たまたま会いました? いや、それは有り得ない。ど、どうしよう、素直に結婚を認めてもらう為にきましたって言う!? ど、どうしよう……


「だって総介が結婚するって長谷から聞いてさぁ、いつになっても総介から教えてくれないし、パパがもう我慢できなくて長谷にちょっとお願いしたんだよ。そしたらこんなに可愛いお嬢さんだなんて……パパは嬉しくて嬉しくて……」


 パ、パパ? う、嬉しい?


「俺はちゃんと彼女の事を紹介しようとは思っていたけどなかなか時間がなくて、と言うより外で自分の事をパパと言うのは止めてくださいと何度も言っているでしょう。長谷も長谷だよ、なんで教えてくれなかったんだ」
「真緒も驚いただろう、知らなかったとは言えすまなかった」


 総介さんに頭を撫でられフッと緊張して張り詰めていた肩の力が少しだけ抜けた。
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