異国の地での濃密一夜。〜スパダリホテル王は身籠り妻への溺愛が止まらない〜
「それは反省しておる。真緒さん、わざわざ東京まできてもらってすまなかったね。でも、もう東京に引っ越してくるんだろう? 演奏会もうちのホテルのホールでやると聞いたよ。ぜひ見に行かせてもらうからね」


 私の手をとりブンブンと縦に振り満面の笑みを見せるお父さん。なんだか可愛らしいと言う言葉がが本当によく似合う、親子でも総介さんとはなんだかタイプが違う気がする。


「……父さん。なんでそれを知っているんですか? 演奏会の事は昨日決まったはずです。まさかとは思いますけど」


「あ、そのまさかのまさかかもしれんなぁ」


 とーおーさーん、と怒りに満ちた総介さんの地鳴りのような低くて響く声。


「おかしいと思ったんですよ。真緒の楽団の人から話を聞いたら倍額以上の金額でホールを貸してくれと言われて断りきれなかったためうちが断られたと言っていました。もしかして、それは父さんがやった事ですね? そうなんでしょう? 大体ホールを借りて何につかうんですか! 無駄遣いはしないこと!」


「借りたホールは、えっと、将棋、友達と将棋大会する……だ、だって……娘の晴れ舞台だよ? 近くで見たいし、大きいホールで盛大にやって欲しいじゃないかぁ。勝手に行動したのは謝るけどそれしか方法が浮かばなくて、総介なら絶対真緒さんの為にうちのホール貸すだろうと踏んだんだけど、やっぱりパパの予想は大的中だったね!」


「……父さん」


 開いた口が塞がらないとはまさにこの事か。総介さんも困り呆れ果てた顔だ。
< 160 / 170 >

この作品をシェア

pagetop