異国の地での濃密一夜。〜スパダリホテル王は身籠り妻への溺愛が止まらない〜
「真緒すまない。こうなったことも全てうちの父のせいだったみたいで。知らなかったとは言え楽団の皆様にも真緒にも迷惑をかけたね。ごめんな」
予想もしていなかった展開に思考回路が追いつかない。お父さんってもしかして、いや、もしかしなくても破天荒な所があるの、かな?
「い、いえ……私は別にご迷惑だなんて思ってませんから」
「楽団の皆さんには後で私から話をしておくからね。にしても、一人で結婚相手の親に会うのは不安だっただろう。本当に真緒には驚かされっぱなしだよ。君は出会った時から芯があって意外と度胸のある女性だった。そう言うところにも惹かれたんだけどね」
「総介さん……」
フワリと抱き寄せられ全身の力が抜けていく。お父さんとの事、楽団の事、全てが丸く収まったことで張り詰めていた気持ちに緩みが出たのかもしれない。
「じゃ、じゃあパパは帰ろうかな! 真緒さんの覚悟も前回会った時に聞けたし! 真緒さん今度は家に遊びに来てね。総介、真緒さんを幸せにするんだよ」
総介さんの腕にさらに力が入りギュウッと抱きしめられる。彼の腕の隙間から「ぜひ伺わせて下さい」と声を発すると、ニコリと目を細めてヒラヒラと手を振りながらお父さんは帰られた。
未だに振り解かれない腕に包まれ、頭上から申し訳なさそうな落ち込んだ声が落ちてきた。