クールな社長は政略結婚したウブな妻を包容愛で満たす
松林の向こうから、クリーム色のワンピースを着た女性が見えた。
「あ、おかあしゃまだ!」
抱っこしてとせがんだ息子が、今度は下ろせと暴れる。
「我儘なヤツめ。どっちに似たんだ…。」
息子は歩きにくい砂浜を、それでも必死にトテトテと走ろうとしている。
見ているとじれったいのだが、柊哉はただその姿を目で追っていた。
「おかあしゃま~。」
息子が手を振る先には、妻がいる。愛しい妻が。
「瑞生。」
妻が息子の名を呼んだ。
自分より先に息子の名を呼ばれて、柊哉はちょっといじけた気分になる。