クールな社長は政略結婚したウブな妻を包容愛で満たす
心を通わせた二人は、和優の身体が落ち着くと自然に夫婦になる事が出来た。
やがて妊娠した和優は、医者のコントロールを受ける為に
殆ど入院した状態で、薬を変えて状態を見ながら危険な時期を乗り越えた。
柊哉は、会社と松濤の家は上垣司に任せ、自分は殆ど妻に付き添っていた。
しまいには、和優が呆れるほどの過保護な夫だ。
彼にしてみれば無事に息子を出産する事が出来たのは奇跡の様に思えた。
一緒に産声を聞いた実影とは、手を取り合って泣いたほどだ。
だから、柊哉は息子の名前に『生きる』という言葉を使ったのかも知れない。
『瑞生』
その名を呼ぶ時は、心が震える。
和優は、出産後も暫くは様子を見ながらの生活だったが、
やっと医者の許可も出たので、家族は館山に引っ越して暮らし始めた。
柊哉はリモートで仕事をしているし、徐々に、和優も仕事を再開していた。
勿論、家政婦の田辺のバックアップがあってこそだが。
出来る事を無理のない範囲で…。
水口夫妻や篠塚夫妻、そして仲間たちに助けられながら、
いつか海の幸を使った天然酵母パンにも挑戦したいと思っている。