ふんわり王子と甘い恋♡



「そういやお前ら、この話は知ってるか?」



輪になって床に座るみんなの後ろから、もりりんがおどろおどろしい声を出す。



「また怖い話じゃねぇだろうな……」



パチン、と……教室の電気を消して。


シャーっとカーテンを閉めたもりりんは、振り向いてすぐ話し始める。



「この学校、絶対に19時以降人を残らせちゃダメなんだよ」

「……」

「部活動も19時以降は禁止。体育祭の準備も学祭の準備も、19時以降は禁止。とにかく、19時以降は校内に人っ子一人いちゃいけない」

「確かに……最終下校、いつも19時だな」

「え、なんで、」



電気とカーテンのせいで暗くなった多目的室は……どうしてか、ひんやりとして気味悪い。



「この学校、実はな……昔、墓地だったんだよ」



ザワザワと……寒気が……



「昔な、19時過ぎまで残ってた先生が、最後に校内の見回りしてたらしいんだけど……丁度この階……5階の教室を点検してるとき、なにかを見たらしくてな」


「、、、、……」



む……無理。


それはほんとに、無理なやつ。


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