ふんわり王子と甘い恋♡
暗闇に光る非常口が……不気味。
外はどんどん暗くなるし、誰の声も聞こえない。
もりりんが言っていた19時も、あと少し。
早くしなきゃって、小心者の私は焦る。
19時までに学校を出なきゃって、本気で焦る。
「あ、った……」
多目的室の中に、1つだけ残されていたお弁当箱を発見。
急いで入って、急いで取って、急いで出る。
だって怖い、し……。
「なんか動き、すばしっこ、」
「ぇ、…」
怖くていつもよりも機敏だった動きに、フワリくんが可笑しそうに笑う。
だけどやっぱり、見える笑顔に違和感。
どうして。
そんなに遠慮するみたいに、笑うの。
「行こ、」
「、ハイ」
私といるのが……嫌、だから。
彼女に罪悪感を持つから……私といるのが迷惑だから?
だからそんな風に……困ったように笑うの?