白の悪魔と黒の天使
黒瀬は、少し怒ったような表情をして、麗華を見下ろす。

迷惑をかけたのは一目瞭然。

麗華は深々と頭を下げる。

「2度も迷惑をかけて、本当にすみませんでした。黒瀬さんを怒らせたいわけじゃなくて」

「…」

「…すみません、こんな事は、もう2度とないようにします」

もう一度頭を下げて、麗華は行こうとした。が。

黒瀬は麗華を引き留めた。

「怒ってない」
「…ぇ」

「腹を立ててはいるが、君に怒ってるわけじゃない」

その言葉に、困ったような顔をした麗華。

「…白崎に腹を立ててる。アイツは、なんで君にそんなにしつこくするんだ?」

…それは、麗華本人も知りたいくらいだ。

「…私にも、心当たりがなくて」

仕事では会うことはあるが、その時に何かへまをしたことはないし、話も、業務連絡みたいな事しか話したこともない。

それなのに、なんでこんなにしつこくされるのか。



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