That's because I love you.
告白
「明広~!明広ってば~っ!!」
「…何。」

講義が終わり廊下に出た明広は、肩出しのニットとミニスカートという露出度が高い派手な服装の女性に呼び止められた。
明広は一瞬足を止めて彼女を一瞥すると、すぐにまた歩を進め出す。

「まじ聞いて~。今の彼氏がさぁ、何かイマイチで~。」
「あっそ。」
「相変わらず冷たっ!ね~、あたしとヨリ戻さない?やっぱ明広以上に上手い男なんて…」
「やだ。」
「な…っ!なんでよぉ!来る者拒まずの明広の癖に~っ!」
「…僕だって少しは相手選んでるよ。君我が儘だし要求多いし、もう付き合うの無理。怠い。」
「はぁ~!?うざっ!アンタみたいな性格ねじ曲がった奴に頼んだあたしがバカだったわ!」

女性は激昂してそう叫ぶと、カツカツとヒールの音を響かせ去っていった。

「…性格ねじ曲がってるのはお前もだろ。」

明広は溜め息混じりにそう呟くと、校舎を出るべく再び歩き出す。

(…付き合った女に本気になられても困るから、男慣れしてる女と最初から"遊び"だって断って適当に遊んで来たけど…何か馬鹿な奴ばかりで飽きて来たなー…。)

ーーー華の話は、大方当たっていた。
明広はもう、まりあの7年前の記憶の中の彼とは別人だった。

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