That's because I love you.
ディナーの後、それぞれの家に帰るため駅まで手を繋いで歩いた。
地下の駅に続く階段の前で、明広は少し迷ったが我慢出来ず、まりあを抱き締める。

「…まりあー。」
「明広さん…?」
「…離れたくない。」
「……っ…!」

明広は何かをねだる様な、甘える様な瞳で、まりあをじっと見つめる。
まんまとときめきまくったまりあは、照れて頬を染めつつ彼に提案を出した。

「…わ…私の部屋、来ますか…?」
「…行く。」

彼の願いを叶えてやると、明広は少し頬を染め瞳を歓喜に揺らめかせ、珍しく嬉しさ駄々漏れの表情を見せた。

(…明広さん、何か昨日から甘々…っ。どうしたっていうの~。)

またしてもきゅーんと胸を撃ち抜かれていると、彼にぎゅっと手を握られた。

「…早く帰ろ。」
「…はい…っ。」

まりあは幸せ過ぎて目を回しながら、彼と手を繋ぎ階段を降りる。
するとふいに、明広に繋いだ片手をくいっと軽く引っ張られた。

「…あのさ。ヤりたくて部屋に行きたいって言ったんじゃないから。」
「…ふぇ?」
「昨日散々無理させたし、今日は手出さないって約束する。…心配しないでね。」
「…ふふ…っ。じゃぁまた私の狭いベッドに二人で入って、いっぱいお話しましょ~。」
「あのベッドねー。昨日泊まったホテルの⅓くらいだよねぇ。」
「むぅ~…!もう少しあるもん~っ。」

まりあは口では「むぅ~」と言いながらも、明広の優しい気遣いに幸せそうに笑っていたのだった。


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