That's because I love you.
待ち合わせた正門に着くと、ぱぁっと顔を輝かせたまりあが走り寄って来る。

「御木本さん…!お疲れさまです。」
「…お疲れ。まりあ、これから予定ある?」
「?ないです…っ。夕ごはん作るくらいで…」
「…じゃあ、僕の部屋に来ない?育ての親、今日出張で居ないから。」
「……!」

まりあはびくっと震え体を硬直させたが、一瞬の間の後、小さくこくんと頷いた。

「……はい。」
「…じゃあ行こうか。」

(……ほらな。…まりあだって、ちゃんとわかってる…。)

明広は彼女の前を歩きながら、密かに口角を上げた。


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