That's because I love you.
お互い口数も少なく歩き、明広の自宅のマンションへと向かった。
2LDKのごく一般的な広さのマンションの部屋に着くと、誰も居ないリビングを素通りして進む明広にまりあも続く。
明広の自室へ案内されたまりあは、彼に促され二人掛けソファーの端にちょこんと座った。
明広はソファーには腰を下ろさず、"飲み物持ってくる"と言い部屋から出て行ったので、一人になったまりあは恐る恐る、そっと部屋を見回した。

(…すごく綺麗に片付けられてる…。グレーや紺が基調のシンプルなお部屋、御木本さんらしい…。)

初めて入った明広の部屋に少しの間見とれていると、彼がすぐにキッチンから部屋に戻って来たので、まりあは再び緊張で体を硬くして背筋を伸ばす。

「…はい。カフェオレでよかった?」
「…はい…っ!ありがとうございます…っ。」
「いーえ。」

明広にマグカップを差し出され、まりあは震える声で礼を言い両手でそれを受け取った。
自分の隣に座った明広と共に、無言のまま飲み物を飲む。

(…何か…何か喋らないと…っ!いきなりでびっくりして頭が回らな…ううん、回さないと…っ!)

急に明広の部屋に呼ばれ緊張のピークのまりあは、必死に思考を働かせる。

(そうだ…この前喫茶店で英語の勉強見てもらったんだ…!また勉強始めれば、自然と会話もできる…っ。)

「…あの…!私また…勉強見てもらいたい所が…っ。」

マグカップをソファーの前のローテーブルに置き、自分の横に置いた鞄を開けようとして明広に背を向けた途端、彼に後ろから抱き締められた。

「…うん。後で見てあげる。」
「……っ…!!」
「…まりあもさ、付き合うってどういうことかわかってるよね?」
「…、…はい…。ちゃんと覚悟の上で…告白しました…。」
「…そう。なら遠慮しないよ。」
「……っ…。」

明広はまりあの柔らかな金色の髪をかき分け、白く細いうなじに唇を這わせながら、肩から腕にかけて優しくさする。
肩を掴み自分の方へ向き直らせると、彼女の唇に触れるだけのキスを落とす。
少し戸惑うまりあを、普段と何ら変わらない無表情でじっと見つめる。

「…溜まってるんだよ。彼女の君で、解消させて。」

真っ赤に染めた顔で震えるまりあの唇を再び塞ぐと、服の上から小さな体を撫で回す。

「……ん…っ、…んぅ…。…っ…!」

掌を彼女の胸元に滑らせ、大きく円を描く様にゆっくりと撫でる。
唇をそっと離しまりあの様子を窺うと、彼女はふるふると震えていたが、抵抗する素振りなどは見せていなかった。
了承されたと踏んだ明広がふっくらと膨らんだそこを弱く揉むと、まりあはびくっと体を跳ねさせた。

「……ぁ…っ。」

そのまま二つの膨らみを両手で優しく揉みしだくと、まりあは恥ずかしそうに目をぎゅっと瞑り顔を少し横に逸らし、小さな甘い声を漏らす。

「…ぁ…ん、…んん…っ。…み…御木本…さ…。」

その声と表情が予想外に色っぽくて、明広の心臓がドキッと跳ねる。

(…少し触っただけなのに…感じやすいのか?…可愛い声、出すんだな…。)

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