That's because I love you.
「…ゃぁ…、ぁん…、……ぁ…っ。…御木本さ…っ。」
「…名前で呼べば。」
「…ふぇ…。」

明広が動くのを止め微笑むと、まりあははぁはぁと息を切らしながらきょとんとする。

「名字とかよそよそしいじゃん。まりあ、僕の彼女でしょ?」
「……っ。…明広…さん。」
「…うん。」

明広は満足そうに微笑み、律動を再開させる。

「…ぁ…、ぁ…っ。…明広さん…っ。」
「…はいはい。なーに。」

涙を浮かべ両手を伸ばしてくるまりあが可愛くて、律動を続けながら小さな体をぎゅっと抱き締めてやる。

「…明広さん…好きです。大好きです…っ!」
「…わかったから。甘えん坊だな、まりあは…。」
「…明広…さぁん…っ!」
「はいはい。…こら、締め付け過ぎ。」
「…ごめんなさ…っ。」
「…今のも褒めたんだよ。」
「…ふぇ?」
「…ふっ…。」

間の抜けたまりあの声に、また思わず笑う。

(…こんな和やかな雰囲気でするの、初めてだな。…激しくしなくても充分気持ちいいし、何か…。)

明広の胸は、ふわふわと暖かかった。
これが"幸せ"とは気付かないものの、自分の腕の中で震えるまりあに、確かな愛おしさを感じる。
自分に必死にしがみついてくるまりあを優しく抱き締め、最後までゆっくり動いてあげたのだった。



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