That's because I love you.
放課後。
華が無事買い物を終えた後、二人はファーストフード店に入った。
ハンバーガーを美味しそうに頬張るまりあを見て、華はポテトを食べながら愉快そうに笑う。

「昼もおっきな弁当食べてたのにもうハンバーガー?相変わらずよく食べるねぇ~!」
「ん~。ダブルチーズバーガーだいすきなのぉ。」
「夕ごはんは?食べれるの?」
「もちろん~。今日は中華丼作る予定~。」
「ね~食い過ぎ!意外過ぎてウケんだけどぉ!」
「だって、今日はいっぱいドキドキしたから…おなか空いたんだよぅ。」

少し照れた様に笑うまりあに、華は少しだけ表情を曇らせる。

(…まりあって滅茶苦茶可愛いから入学早々色んな男に言い寄られてたけど、びっくりする程塩対応だったんだよな…。今まで彼氏居たことないとか言うし、今時珍しい程慎重なタイプだなって思ってた。…それなのによりによってあの人…御木本サンに一目惚れなんて…。)

「それで…華ちゃん。御木本さんについて話したいことがあるって言ってたけど、なぁに…?」
「……うん…。」

(…まりあにとっては、きっとショックな事実だろうな。…でも…あんたは今までのどんな友達より優しくて純粋で、一緒に居ると楽しいし、何かすごいホッとするの。……私はあんたがあの人に泣かされる所なんて、見たくない…。)

心を決めた華は、珍しく真剣な瞳でまりあを見つめながら、切り出した。

「…まりあ、悪いことは言わないからさ。あの人だけはやめときな…?」
「……え?」
「私さ、あの人と同じ高校だったの。つっても私が一年だった時あの人三年で、同じ校舎に居たの一年間だけだしほとんど喋ったこととかないけど、結構目立ってたから覚えてる。…悪い意味で、目立ってたよ。」
「……え…?」
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