俺の言うとおりにしてください、お嬢様。




「ば、馬鹿にするな…!うちの会社は設立してから5年で企業ランキング10位には入ってるんだぞ…!!」



ぎゃあぎゃあと騒ぐ北川商事?の長男さん。

けれどわたしの前に現れた金髪はやっぱり何ひとつとして動じていないわけで。


それどころか深いため息をひとつ吐いて、そこに言葉をたまたま乗せるように放った。



「日本7大財閥の1つに入ってるから当ててみろよじゃあ」


「っ、なんだと…!?嘘つくな…!」


「ちなみに俺のわんころだってその1つの財閥の娘だからね」



俺のわんころってなに……?

まさかわたしのこと言ってる…?


確かに柊財閥も早乙女財閥も、彼が言ったとおり日本7大財閥と言われる中に位置してはいるけれど。



「ど、どうせ適当なことばっか並べて───」


「早乙女 燐」



吐き捨てるように名前がつぶやかれて。

それから北川さんがいなくなるまで5秒も無かった。

綺麗に跡形もなく去ってゆくものだから。



「俺に手間かけさせるなよ、わんころ」



これは久しぶりの悪夢到来だ。

それに今はハヤセとも距離が離れちゃってる…。



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