俺の言うとおりにしてください、お嬢様。




この涙は全校生徒から軽蔑の眼差しを受けたからじゃない。

絶対、そんなのじゃない。

これはハヤセから貰ったネックレスが壊されて千切られてしまった涙だ。



「っ……、うぅ…っ」



せっかく理沙っていう友達ができたのに、明日からはそれすらも消えちゃうかもしれない。

早乙女を叩いたから、当然のこと婚約は破棄だ。そうなると柊家にも大迷惑で。


もう、この学校にもいられなくなっちゃうかもしれない。

ハヤセとお別れになっちゃう───…。



「…クロとシロにご飯あげなくちゃ」



きっと待ってくれてるよね。

逆に君たちしかいないんだよ、いつもわたしの話を聞いてくれるのは。

ハヤセと出会う前はとくにそうだった。



「……いない、」



またどこかに出かけてるの?
2人してどっかに行っちゃったの?

一応キャットフードと水は替えておくね。

猫は気まぐれだから、こういうところも可愛かったりする。


ポツ、ポツ。



「───…あめ、」



それはわたしからのものだけじゃなく、空からも同じように降ってきた。

逆に好都合だ。
こんな日は雨じゃないと嫌だ。



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