俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
あぁ、ハヤセの顔がやっと見れたよ。
可哀想って顔してた。
わたしを見て、なんて可哀想なお嬢様なんだろうって。
そんな顔、してたね。
「ハヤセ、苦しい…、」
「…俺のほうが苦しいですよ」
涙は雨に混ざって、雨に溶けて、いつの間にか止まってた。
そんな今度はハヤセが泣いちゃってるんじゃないかって思ってしまうくらい、声が震えてるから。
「帰ろうハヤセ。わたし帰って温かい紅茶が飲みたいっ」
「…はい」
ごめんねハヤセ。
ネックレス、千切られちゃったの。
大事にしたい宝物だった。
だからもうわたしには、そーいうプレゼントもあげちゃだめなんだよ。
すぐに壊しちゃうから。
「…へへ、退学かな」
マンションに戻ってからの第一声は、できる限り明るく言ってみた。
お風呂入らなきゃ、着替えなきゃ。
でもハヤセのほうが濡れちゃってるから先にお風呂入っていいよ───って。
そう言おうと考えてたのに、不安を明るく言うことで早く答えを知りたかったから。
「俺がそんなことには絶対にさせません」