俺の言うとおりにしてください、お嬢様。




率直に言っていいならば、「嘘つけ」と放っていた。

確実にわたしはそう言っていた。

けれど驚きのあまり言葉が出ず、ただじっと見つめることしか。


え、……え?───なんて……?



「フルネームは早瀬 真冬(はやせ まふゆ)と申しますが、ハヤセでもマフユでもお好きにお呼びくださいませ」



はやせ、まふゆ…。

なんだ、名前までイケメンか。
イケメンはもう名前までも格好いいのか。



「エマお嬢様…?どうかされましたか?」



放心状態のわたしにわざと聞いてくる、早瀬 真冬という男。



「あ、あの……誕生日、聞いてもいい…?」


「俺のですか…?俺は12月24日です」


「やっぱり真冬なんだ…!それにクリスマスイブってすごいっ」


「はい。単純な名前だと自分でも思ってます」



全然そんなことない。
むしろ素敵すぎる名前だと思う。

というかクリスマスイブに誕生日って、どんなにイケメンを詰め込んでくるつもりだ。

聖なる夜っていうか、聖なる真冬だ、今日から。


いやいやそれより分析しなくちゃいけないことは他にあったんだった。



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