俺の言うとおりにしてください、お嬢様。
「あっ、土…!土ついちゃった!拭かなきゃっ」
さっき花壇に花を植えてそのまま来ちゃってたから。
まさかこうして触れてくるとは思わなくて、執事さんの長くて綺麗な手が汚れちゃった…。
「ハンカチっ、あ…、教室だ……」
しまった、リュックに入れたままだ。
確実にブレザーのポッケにも入ってないと思うけど、形だけでもガサゴソ漁ってみる。
「お嬢様がハンカチを欲していれば差し出すのは誰の役目か知らないのか?」
「っ、」
そしてまた樋口に対してキツい眼差しが送られてしまった。
「普通はそれ前に気づくのが基本だ」と、まるで教育をされてしまってる。
「あ!四つ葉っ!これさっき見つけたの!」
そんな雰囲気を和らげるように差し出した
ひとつ。
引っこ抜いちゃったことには罪悪感があったけど、押し花にしたいと思って…。
「四つ葉のクローバー、…久しぶりに見ました」
「そうなの?わたし見つけるの昔から得意で…!あ、ならこれあげますっ!」
「…いいんですか?」
「うんっ!幸福のシルシにどうぞ!…あと樋口をあまり叱らないでほしくて…」