ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜
第三章

純血の女神

「……リ……ジュリ」

 ハッと目を見開くと、一番先に木の天井が目に入った。全く見覚えのない場所だった。

 まだ、ぼーっとしてる。
 くらくらする頭を押さえながら、ベッドから足を下ろす。

「ようやく目が覚めたか」

 両腕に何かを抱えたモラナが、目の前に立っている。

 何があったか、よく思い出せない。
 ぼんやりした表情でいると、部屋の奥からルキくんがやって来た。

「ここはモラナの家だ」
「……モラナの?」
「そうじゃ。魔女の村メゲーテへようこそ」

 歓迎の言葉をもらって、モラナが説明した。

 吸血鬼の住む街、パラムシアのとなりに位置する魔女の村メゲーテ。

 とても小さな村で、ここには現在5、6人の魔女たちが身を潜めて生活していること。

「これを飲みなさい」

 なにやらピンクの液体が入った小瓶を渡して、モラナが続ける。

「ちょっと苦味があるが、水は飲まんように」

 キュポンとフタを取る音がすると、ルキくんの表情がかたくなった。

 キレイな色をしているけど、これはなんだろう?
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