ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜
「あんな本を読んで、どうするつもり?」
「それは……!」

 話を聞くつもりはないと言うように、ぐいぐいと階段を駆け下りて図書館をあとにした。

 もしかして、怒ってる?
 何も知らないより、少しでも何か役に立てるようにと思っただけなんだけどな。

 しばらく連れられて歩いていると、ヒールの高い音を立てながら、目の前に若い女の人が現れた。

 警戒したように一歩下がって、ルキくんがその人のつま先から頭のてっぺんまでをじっくり見る。

 豊満なバストと肉付きの良いパーフェクトボディ。おまけに、とびきりの美人ときたら。

 じとっとした白い視線を送ったとたん、ルキくんに腰を抱き寄せられた。

「うわっ、なに……?!」

 女の人がルキくんの肩に触れると、世界が一瞬にしてゆがんでいく。目の前がぐるぐると回って、真っ暗闇になった。
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