ブラッド★プリンス〜吸血鬼と女神の秘密〜
 どうして、みんな冷たい目で私を見るのか。関わってはいけない理由も分からないし、そもそも〝よそ者〟って?

「……白川村に転校生が来るの、初めてなんだ。他の土地から、人が越して来るなんてあり得ないから」

「どういう……意味? 優希ちゃんが知らないだけじゃない?」

 田舎だけど、今までに1人もいないなんてことはないだろうし。そう言い切れる自信が、分からない。

「ううん、本当にいないの。もう百年近くはないって、お父さんから聞いた。役場で働いてるから、そうゆう情報はみんな知ってる。白川村には、誰も寄り付かないから。樹里ちゃんは、ほんと変わってる」

 はは……、と渇いた笑いしか出なかった。
 冗談を言う声のトーンではなさそうで、余計に唇が引きつる。

 私だって、好きでここへ来たわけじゃない。

 わけの分からない言いがかりを付けられて、クラスメイトから白い目を向けられて。

 なんだか変なところに来ちゃったな。それが、この学校の第一印象だった。
< 11 / 158 >

この作品をシェア

pagetop