置き去りにされた花嫁をこの手で幸せに
年末になり、同期での忘年会のお誘いの連絡がきた。
入社してから毎年行われてきていて、女性は数人退職しているが、それでもかなりの人数。同期は本当に仲がいいと思う。
けど今年からはもう行けない。
悠介が来るか来ないか分からないけど、私は同期にどんな目で見られてるのか知るのが怖いから行けない。

「加賀美くん、同期の忘年会なんだけど私は欠席だからみんなによろしく伝えてね」

「俺もいかない」

「え?なんで?予定あるの?加賀美くんがいかないなんて珍しいね」

私の知る限り加賀美くんが欠席だなんて見たことがなかった。毎回、輪の中心にいてムードメーカーとなっていた加賀美くんが欠席だなんてみんなガッカリするだろうな。特に女子は滅多に接触するチャンスがないから同期会を楽しみにしている子が多いのに。

「だって槇村行かないんだろう。なら俺も行かない」

「私は行かないんじゃなくて行けないの。分かるでしょ。流石にどんな顔で行けばいいのか分からないし、同情されるのは遠慮したいし。加賀美くんのことみんな楽しみにしてると思うよ。女子は特に会いたがってるんじゃないかな」

「お前が行かないなら行く意味ないし、いかないよ」

「私に遠慮しなくていいよ。気にしないで」

私はそういうと仕事を始めた。
まだ何かいいたそうな加賀美くんだったが始業時間になり、仕事にとりかかった。

石垣島のホテルのリノベーションは進んできているが少し遅れ気味。田代さんがやりとりをしているが様子を見に石垣島へ飛ぶことになった。
私も同行することになり慌てて支度をした。
明日の朝の便に空きがあり1泊で行く予定。けれど、土日が重なるため私は日曜の便に変更して3泊することにした。
田代さんも一緒に回りたいと言っていたが土曜日に打ち合わせが入りとても残念がっていた。
年末になり混んでいたが航空券が取れたのはラッキーだった。帰りは那覇空港経由になるがそれでも1人ゆっくりできるのはうれしかった。

現地に着くと田代さんの運転でホテルへ向かい細かいところを見て周り、現場の状況を確認した。4月のオープンに向け年明けから予約を取り始めたいのだが進み具合は今ひとつだ。
取り壊しが終わり新たな設備を取り入れ始めるはずがまだ重機が中に残り廃材も散乱していた。
現場監督とも話すがマンパワーが不足しているようだ。現地だけでは補えず沖縄本島からに要請してきてもらっているが間に合わないらしい。年明けから鹿児島や九州に依頼をかけ増やす方向になったが不安がよぎる。
このままでは1、2階の内装には入れない。
上階はなんとか順調に進んでいるがメインのエントランスやロビーがこれでは年明けから予約を取ることができない。思ったよりも遅くて驚いたが田代さんがこの有り様をみて早急に動き始めた。私も上階のチェックに戻り、田代さんと手分けしてみて回った。

帰り道、どっと疲れ手近なところで一緒に夕飯を済ませた。

翌日またホテルで現場監督と話し合い、田代さんは慌てて東京へ戻ることになった。

今日は私がレンタカーで空港まで送り、そのまま私がレンタカーを借りることにした。
< 54 / 84 >

この作品をシェア

pagetop