嘘は溺愛のはじまり
恋人として付き合うのは問題ないが結婚したいと思えるような女性に出会えず、ついに俺は先日32歳を迎えた。
結婚相手とは、一生を添い遂げる相手のことだ、気軽に将来を誓い合っていいはずがない。
父のあとを継ぐにしても継がないにしても、そう簡単に相手を決められる立場ではないと自覚している。
だから今日まで独り身だったのだ。
なんとしてでも早々に結婚させたい母は、このところ毎週のように連絡をしてくる。
ついには、「お付き合いしている方がいないのなら、お見合いでもしてみれば?」などと言い出した。
「見合いなんて、しませんよ」
「あら。だって、いまお付き合いしている方は、いないんでしょ?」
「……いますよ。もう一緒に住んでる」
「ええ? 本当に? お見合いを断る口実なんじゃなくて?」
「違いますよ。彼女とは、結婚を考えています」
「あらあら。ついこのあいだまでは『いない』って言ってたじゃない」
「こう言うものは、急に始まるものです」
「まぁ、それはそうね……」
結婚相手とは、一生を添い遂げる相手のことだ、気軽に将来を誓い合っていいはずがない。
父のあとを継ぐにしても継がないにしても、そう簡単に相手を決められる立場ではないと自覚している。
だから今日まで独り身だったのだ。
なんとしてでも早々に結婚させたい母は、このところ毎週のように連絡をしてくる。
ついには、「お付き合いしている方がいないのなら、お見合いでもしてみれば?」などと言い出した。
「見合いなんて、しませんよ」
「あら。だって、いまお付き合いしている方は、いないんでしょ?」
「……いますよ。もう一緒に住んでる」
「ええ? 本当に? お見合いを断る口実なんじゃなくて?」
「違いますよ。彼女とは、結婚を考えています」
「あらあら。ついこのあいだまでは『いない』って言ってたじゃない」
「こう言うものは、急に始まるものです」
「まぁ、それはそうね……」