猫目先輩の甘い眼差し
晴れでも曇りでも、雨でも風が強くても、いつ見ても綺麗な一ノ瀬先輩の髪の毛。
初めて会った時から印象的だった。
何か秘訣があるに違いない。
「うーん、特に何もないなぁ」
「ええっ⁉ 本当ですか⁉」
「うん。普通に洗って、保湿して、乾かしてるだけかな」
特に何もしていない。
まさに、美男美女に美の秘訣を聞いた時によく出てくる答え。
みんなが普段やってることと同じだなんて……。
「答えになってなくてごめんね」
「いえ……ありがとうございます」
恐らく、質のいい物を使っているか、工程が丁寧か。
どっちもありそうだけど、物を大切にしているから後者が強そう。
「そんなに落ち込まなくても……。俺は市瀬さんの髪も綺麗だと思うよ」
「っ……!」
またまたサラッと嬉しい言葉が飛んできた。
単に余裕があるだけで、お世辞を言うような人ではない。
冗談は言うけど、嘘をつくような人ではない。
っいや、これは気を遣っているだけ。
本心かもしれないけど、元気づけようとしてくれているだけだ。