猫目先輩の甘い眼差し


晴れでも曇りでも、雨でも風が強くても、いつ見ても綺麗な一ノ瀬先輩の髪の毛。

初めて会った時から印象的だった。
何か秘訣があるに違いない。



「うーん、特に何もないなぁ」

「ええっ⁉ 本当ですか⁉」

「うん。普通に洗って、保湿して、乾かしてるだけかな」



特に何もしていない。

まさに、美男美女に美の秘訣を聞いた時によく出てくる答え。

みんなが普段やってることと同じだなんて……。



「答えになってなくてごめんね」

「いえ……ありがとうございます」



恐らく、質のいい物を使っているか、工程が丁寧か。

どっちもありそうだけど、物を大切にしているから後者が強そう。



「そんなに落ち込まなくても……。俺は市瀬さんの髪も綺麗だと思うよ」

「っ……!」



またまたサラッと嬉しい言葉が飛んできた。


単に余裕があるだけで、お世辞を言うような人ではない。
冗談は言うけど、嘘をつくような人ではない。

っいや、これは気を遣っているだけ。
本心かもしれないけど、元気づけようとしてくれているだけだ。
< 132 / 312 >

この作品をシェア

pagetop