猫目先輩の甘い眼差し
「市瀬さん、見て。朝日さんがいる」
「へ? うわぁぁ!」
あまりの迫力に声を上げた。
視線の先にいたのは、爬虫類コーナーの入口にいるヘビ。
数メートル離れていても、存在が一目でわかるくらい派手な柄をしている。
「朝日さん、さっきぶり〜」
「ちょっ、先輩……っ!」
怖がるそぶりもなく、ショーケースに近づいて挨拶した一ノ瀬先輩。
それは朝日先輩じゃないですよ! 普通のヘビです! 毒ヘビではありません! 朝日先輩はコブラですよ!
と、心の中で若干失礼なツッコミを入れた。
柄や大きさによって平気なヘビもいるけれど、このヘビは派手だから怖い。
「先輩……」
「あっ、ごめん! 俺もう少し見たいから、好きなの見てていいよ」
「わかりました……」
消え入るような声で返事をし、小動物コーナーに向かった。
真っ白なうさぎと茶色いモルモットを見て、恐怖心を紛らわせる。
さすが部長。器だけでなく、受け入れられる範囲も広い。
心の底から動物が好きなんだとうかがえた。